『世界が目撃した、善と悪』
2001年9月11日、いつもと変わらぬ朝を迎えたニューヨークに、突然訪れた最悪の事態。現場に急行した港湾警察の隊長ジョンとウィルたちは、ビルに残された人々の救助に向かう。しかし、無情にもビルの崩壊は、すべてを一瞬で飲み込んでしまった・・・
9.11、崩壊し多くの人が犠牲となった、ワールド・トレード・センター。実際の映像を交えて、救助にあたった人たちの恐怖、そして勇気を描き出す。今更ながら現実とは思えない出来事に、恐怖とともに当時の記憶がよみがえる。あらためて、あの日消え去ったのはタワーではなく、多くの命なのだと痛感できるだろう。そして、犠牲となった人それぞれにドラマがあったわけで、生還したジョンとウィルにも彼らを待つ家庭があった。 救助活動の最中、ビルの崩壊にまきこまれ、救出された二人の真実の物語である。
あの日、ジョンとウィルは、自ら飛び込んだビルの倒壊によって瓦礫に閉じ込められてしまった。身動きがとれず、過ぎてゆく時間と死の恐怖。仲間を亡くした悲しみ、怒り、絶望。すべてが凝縮されて痛々しい。皮肉なことに、あとは「救助を待つ」それしかできないのだ。二人と共に、時間の長さを感じられる。
現場は、いまや対テロの象徴となっているが、人の悪しき行為を見ると同時に、人の善を確認することも出来るのではないだろうか。救助の為に駆けつけた看護師、元海兵隊員、多くの人々の力によって、残された命を救うことができた。混沌とした世界のなかで、一筋の希望に見える。そこだけ見れば美談で終わるのだが、劇中でその後の出来事を匂わせているのは、戦争作品を描いてきたオリバー・ストーンのメッセージだろうか。悪しき連鎖は終わっていない。
「9.11」その後の世界を変えた日、善と悪の交錯した場所「ワールド・トレード・センター」・・・あの日、世界は何を交換したのだろうか。
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