『帰ってきた心のヒーロー』
故郷を探す旅から5年ぶりに地球に戻ったスーパーマンは、想いを寄せていた女性ロイスが結婚して、母親となっていたことを知り愕然とする。そして宿敵であるレックス・ルーサーは出所し、あらたな野望と復讐を企てていた。
ついにヒーローの代名詞“スーパーマン”が帰ってきた!とはいえ前作からは20年の歳月が流れてしまった。すでに懐かしの作品となっているだけに、今の時代にどんな活躍を魅せてくれるのだろうか。気になるのはブランドン・ラウス演じるスーパーマンである。えてして主演の交代では旧作のイメージに戸惑うところだが、まさにイメージのまま、クラーク・ケントもそのままに帰ってきた印象だ。これで失われた時間がつながったわけだが、劇中同様に「今、なぜスーパーマンは必要なのか?」。派手ないでたちのヒーローは、今の時代に何ができるのだろう。もっとも巷ではアメコミヒーローが、そしてダークなヒーローが活躍する昨今、理屈のいらない正統派ヒーローの登場はかえって新鮮かもしれない。もちろん現在の映像技術で描かれるスーパーマンの活躍は痛快、まさに旬のスーパーな活躍ぶりに、昔以上に昔に見た世代も楽しめるのだろう。
それにしても彼のいない5年間、地球はどうなったのだろう。世界は彼を必要とはしていないのか・・・恋人ロイスもすでに母親となり、彼を必要とはしないのか。そんなはずはなく、世界は相変わらず事件や紛争を解決できずにいる。彼がいないことを幸いに・・・だろうか。今の世界には「本当の正義」、彼のような力が必要かもしれない。シャトルとジェット機を救い、野球場に降り立つ姿などはどこまでもアメリカ的だが・・・。そういった存在がいてほしいと待望するのは誰しも同じことだろう。物語としては、ロイスにとって重要な存在でもあることが明らかになる。ロイスの署名記事「なぜ世界はスーパーマンを必要としないか」の真意は気になるところだ。
今回描かれるのは、世界の変化に戸惑いながらも正義を貫く孤独なヒーローの姿。宿敵ルーサーの出所という事態にいたり、危機的状況に陥った世界を救ったのは“鋼鉄の男”である。しかし、その影にあるのは父と子の物語だろう。ロイスの結婚も含めて深い愛情物語ではないだろうか。彼は、けして孤独ではなかったのだ、その後が妙に気になるが・・・。いつの時代でも、誰もが懐く「身近にいる理想のヒーロー」その存在は永遠なのだろう。
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