『そのとき、あなたが護るのは・・・』
潜水艇により深海調査を行っていた地球科学博士の田所たちは、海底プレートの急速な沈降を確認した。導き出されたのは、わずか1年後に日本列島が沈没するという驚愕の事実。国民の避難が実行されるなか、激しい異変が押し寄せる。
小松左京 原作のベストセラー小説「日本沈没」が映画作品としては33年ぶりにリメイクされた。当時のことは知る由も無いが、映画にTVドラマまで作られたのだからかなり衝撃的であったことはうかがえる。高度経済成長にあった日本で、国土の消滅という全てが崩れるシナリオは考えもしない事態を突きつけていたに違いない。今にしてみれば成功の対極にある挫折を、災害のみならず示しているようにも思える。
今回の映画化では、リメイクとはいっても現代に置き換えられた設定ということもあり、国土の水没という衝撃的なシチュエーション以外は別の物語のようだ。阪神の震災を期に各地で起こる異変、物語のなかでは地震と噴火により一年足らずで日本は水没するという。災害の記憶は新しいだけに、現実のように感じるものだ。もしも、よりどころである国土が無くなるとしたら・・・。政府は危機にどう対処するのか?世界はどう動くのか?人々はどう生きるのか?考証を重ねたシミュレーションはリアルというよりも、どこか風刺的 だろうか。そして再現される映像からも、災害の恐ろしさを疑似体験できるディザスタームービーであるのは変わらない。自国の災害ゆえに、やはり衝撃的だ。
注目は、そのなかに描かれる潜水艇のパイロット“小野寺”とレスキュー隊員“岡部玲子”の恋だろう。登場人物の設定は原作とは違っているが、恋を絡めて描かれた内容に見方も変わってくる。個人の問題のなかに垣間見る、護るべきものはなにか?生きることとは・・・できることは・・・。自己犠牲や覚悟といった部分は日本的ともとれるが、うしろだてが無ければそこにあるのは何も持たない人だけなのだ。そして最後に残るもの、それは人の良心であると思いたい。そこから希望の持てるエンディングにつながるのだろう。災害はいつ起こるとも判らないだけに、単なる映画の話にも思えない。災害の頻発する昨今において、こういった作品こそ海外でリメイクしてほしいものだ。
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