『その決断、あなたならどうします?』
新年を祝うパーティーに沸き立つ豪華客船ポセイドン号に、突然、巨大な波が押し寄せた。船体は転覆して上下が逆になり、乗客たちを閉じ込めたまま沈没の危機が迫る。密室の船内から出口を探すサバイバル、乗客それぞれの決断は・・・
34年前の作品である海洋パニックの名作「ポセイドン・アドベンチャー」をリメイクした作品である。転覆するポセイドン号が舞台であり、脱出を試みるという筋書きも同じではあるが、現代に置き換えられた人物設定や最新の映像表現とあいまって別ものとして観ることができた。今回の主な登場人物は、元ニューヨーク市長、その娘と婚約者、密航者にギャンブラーにシングルマザー、自殺を決意した設計者の老人といった訳ありな乗客がともに脱出を図る。それぞれが悩みや問題を抱えていてドラマを見せるが、不測の事態では個々の問題など吹き飛んでしまう。結局は解決できる問題なのだろう。そんななかで刻一刻と迫る水の恐怖はまさに息詰る展開。
サバイバルの舞台は、転覆して上下が逆になり隔離された世界。生き抜くためには地位も男女も、年齢もお金も・・関係ない世界である。判断力と決断力、勇気、ときには非情な決断も迫られる。ドラマとして面白いのは、真っ先に逃げ出すつもりのギャンブラーが、なぜか他人を先導することになる。そして死ぬつもりだった老人が生き残ったり、優しさが命取りになったりと、ときに垣間見る世の不条理が集約されているようだ。それでも、子供の力や老人の知恵が必要でもあり、協力して困難を乗り越えることとなる。そういう世界を風刺的に見れば、ある意味で理想の社会ではないのだろうか・・・。災害でも起きなければ認識できないところだろう。物語のなか人間関係の個々のドラマは盛り上がりに欠けるが、ここで恋物語を描けば「タイタニック」になってしまうだろうし、過去の作品を思い起こさせるシーンもしばしばである。もっとも、海洋パニックの原点といえる作品なのだからそれもありかな・・・。乗客の視点で描かれた臨場感のあるディザスタームービーとして楽しめるはず。
改めて思うのは、世の中ひっくり返ることはないのだろうが、災害はいつ起こるかわからないということ。決して一人では生き残れないはず、“助け合う心”それは常に持っていたいものだ。
|