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07/11 |
『フライ,ダディ,フライ』 |
桜井淑実 |
採点:★★★★ |
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『父ちゃんがんばれ!日本の夏は熱いぜ!!勇気と自信と愛とユーモアがいっぱい詰まった一本。』
ごく普通の中年サラリーマン、鈴木一。名前まで思いっきり普通。家のローンはあと23年残っている。多分、通勤時間は2時間弱くらいかなあ。駅に降りると、新興住宅街までに行くバス亭には、似たような疲れたサラリーマンが並んでいる。
あまりに普通の毎日に、突如、事件が!自分の唯一の宝物、娘の遥が暴行を受けてしまう。暴力をふるったのは石原勇輔。でも、相手は有名進学校の生徒で、ボクシングのインターハイ・チャンピオン。おまけに親父は有力政治家。札束積まれて、事件はもみ消されようとする。すごすごと引き下がる鈴木さん。
あまりの屈辱に次の日、学校に乗り込んで、石原と対決しようとする。でも、そこは隣の学校。おまけにカッコイイおのこに一発でのされてしまう。おっさん、どうする。大事な娘を無条件で守ってやれるのはおやじさんだけ。ひと夏、体を鍛えて、石原をやっつけてやらないか?オッサンの夏休み、出世を捨てて、会社を休んで、いつもと違う毎日がやってきた。
ちょっとありえないシチュエーション。田舎に住んでいるから、ないと思えるのかしら。でも、権力に屈してしまう小市民の性、40過ぎた親父に漂う厭世観、事なかれ主義の学校のおえらいさん。すごくよくわかります。誰でも、その状況を何とかしたいと思っているのだけど、どうにもならない。この世の中のしがらみもいやと言うほど知っている。でも、誰か打ち破ってくれないか?飛んでみないか?そんな誰もが、心の奥底に仕舞っていたパッションを呼び起こしてくれる。
全編にちりばめられたユーモアに笑い、頑張るオッサンの熱い姿に涙できる。堤真一のダメ親父ぶりは、堂にいってる。だんだん逞しくなっていく過程も、リアルだが、彼はやはりSABU監督に鍛えられた走る役者。結論が見えてしまっているのが、ちょっと物足りないかな。堤は苦手な部類の役者なので、彼が主人公だから見るという選択にはならないのだが、ここは誰が何と言っても岡田君です。もうやばい。おばさんは、彼に何度ハートをわしづかみされた事か!!40男に説教たれる姿も、なんとなく納得がいってしまうのは、彼の人徳でしょう。わー、いっちゃった。
ここは、憎々しい悪役の、憎たらしさが決め手。それを須藤元気、ほんとに憎ったらしく好演。びしっと決めてくれました。
元気のなくなった日本人に対して、素直に「頑張って!」と言ってるような映画で、「電車男」との共通点も見えた。名もない応援団の強い後押しがある。応援しながら、そのパワーを自分にも向けているのだ。こまっしゃくれた高校生たちもしかり。やっぱ、年代的に中年サラリーマン応援団に強いシンパシーを感じてしまいましたが、熱い親父たち、いいです。今年は熱い夏にしようじゃないか!!
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