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07/01 |
『マラソン』 |
桜井淑実 |
採点:★★★★☆ |
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『ここで描かれるのは小さな、弱い人間。でも、勇気と、挑戦は何かを変える力がある。真実の物語が呼ぶのは本当に感動だ。』
チョウォンは20歳。しかし、障害を持つ彼は、自立する事はできない。母は、彼とともに生きる事を決意。夫も、弟も、つい二の次になってしまう。しかし、彼から目を離すことはできない。つなぎとめておけと、人は言う。しかし、そんなことができるか。チョウォンも確固たる人間なのだ。
母には責任がある。なぜ、そこまで息子をつなぎとめておくのかと、人は思うかもしれない。他人にとっては当たり前だが、他人事だ。しかし、母には自分に背負わされた贖罪であるかのように彼を守っていかなければならないのだ。その母は聖人か?否。普通の感情を持ち、感情のかたまりのエゴイスティクなものだ。息子の可能性を信じたい。しかし、信じきれない自分も同時に存在している。それは何より息子のことをわかっているから。彼の母である事がどんなに重荷であったか、それを捨て去りたいことが何度あったろうか。しかし、母であることをかなぐり捨てる事はできなかった。
自閉症の青年。幼いうちは周りの助けもある程度のお目こぼしもあるだろう。しかし、大人にならなければならない。身を呈して守ってくれた母は、いつまで自分を守ってくれるのか。走ったからなんになるのか。そのとおりだ。しかし、走り遂げたチョウォンには、何かがあった。
ここにあるのは偽善ではない。事実だ。派手な事も、目を見張るアクションもない。しかし、現実にこうやって生きて行かなければならない人たちを、丁寧に、繊細に、真摯に描いた。そのことが何と暖かいことか。
『春香伝』から、何と素晴らしい役者かと思っていたチョ・スンウの実力がいかんなく発揮。あざとさが一切ない。神がかっている。すごい。途中のユーモアあふれる場面も、目を背けたくなる場面も、涙にくれる場面も、全部ひっくるめて見る方は受け止めたい。そんな映画だ。
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