店長の映画言いたい放題『THE有頂天ホテル』
監督・脚本は三谷幸喜、編集は『みんなのいえ』(2001)
の上野聡一、美術は『スワロウテイル』(1996)の種田陽
平、撮影は『ホワイトアウト』(2000)の山本英夫、音楽
は『メッセンジャー』(1999)の本間勇輔。キャストは
役所広司、伊東四朗、生瀬勝久、戸田恵子、香取慎吾、
西田敏行、佐藤浩市、松たか子、篠原涼子、角野卓造、
原田美枝子、その他大勢。
大晦日。ホテルアバンティは、カウントダウンパーティ
に備えてネコの手も借りたいくらいの大騒ぎをしていた。
副支配人の新堂(役所)は、思い付きを口にする総支配
人(伊東)と保身が身上の副支配人瀬尾(生瀬)に悩み
つつ、腹心の部下矢部(戸田)とやりくりに苦心する。
ベルボーイの只野(香取)は、ミュージシャンの夢を諦
め、今日を限りに実家に帰るつもりだったが、演歌歌手
の徳川(西田)とバッタリ出会う。国会議員の武藤(佐
藤)は、スキャンダルのほとぼりが醒めるのを待つため
にアバンティに隠れており、ルームサービスの竹本(松)
は、かつて武藤の愛人で一人息子がいた。コールガール
のヨーコ(篠原)は客引きに余念がないし、ヨーコの常
連の堀田(角野)の妻由美(原田)は、新堂の別れた妻
だった。その他、ゴチャゴチャな登場人物たちが、不思
議な幸運らしき糸に手繰り寄せられつつ、遂にパーティ
が始まる。
三谷幸喜が嫌いなら、あるいは理解できないなら、この
映画は面白くない。わざとらしいし、ドタバタが舞台臭
くて小さくまとまってるって思うかも。
でも、三谷幸喜が好きで、あるいは飲み込んでも消化不
良を起こさないなら、細かい仕込みは笑いに繋げられる
し、ドタバタは予定調和であってもそれごと楽しめるだ
ろう。
つまりこの映画は、観る側の“視点”を選んでいる。
嫌いなら仕方ないけど、面白いと思ってくれるならどう
ぞ何回でも観てください、って感じ。
こう思うところが、すでに三谷マジックにハマってると
いえそうなので、癪ではある。
猛烈なコマ割りを、編集に求め、そのための演技を役者
に求め、自身はとんでもない演出をおこなったに違いな
い。でないと、こんなストーリーは組み上げられない。
こんな映画は、たしかに三谷しか撮れないかもしれない。
そういう意味で、テクニックは観ておいて損はないだろ
うな〜。でもこの点でも、好き嫌いが出そうだけどね。
役所広司はさ、上手いよたしかに。画面に出てくると安
心感があるしね。ただ、他の役者が“はっちゃけて”い
るのも確かなので、誰に注目しても、結構な満腹感が得
られると思う。
文芸的な香りはしないし、芸術的な意図は感じられない。
娯楽。その一点で、しかし映画は成り立つという見本。
ま、金もかかってるけど……
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