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07/15 |
『ミリオンダラー・ベイビー』 (PG-12) |
ムービーランド |
採点:★★★★☆ |
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『店長の映画言いたい放題「ミリオンダラー・ベイビー」(PG-12)』
監督・製作・音楽・はクリント・イーストウッド。
ボクシングジムを経営するフランキー(クリント・イーストウッド)は、チャンピオン候補を育てつつも、慎重すぎるゲームワークで逃げ出されたりしていた。フランキーは昔、治療スタッフとして参加した試合で、その選手に結果的に無理強いをさせたせいで、彼を失明に追い込んだことを忘れることができなかったのだ。その彼は現在、スクラップ(モーガン・フリーマン)というあだ名で、ジムで用務員をしている。ある日、マギー(ヒラリー・スワンク)がフランキーに教えを請いに現れた。女に教える気はないと、にべもないフランキーだが、スクラップは彼女が真摯にトレーニングしているのを垣間見ていた。熱意に遂に折れたフランキーは、別居して手紙も届かない実の娘にマギーをいつしか重ねていく。32歳という年齢だが、家庭の貧困とボクシングへの一途な取り組みにより、マギーはその強打を開花させていき、連戦連勝を重ねていった。しかいフランキーはいつも同じ助言を最初に言う。「自分を守れ。」防御の重要さと、スクラップでの経験を忘れぬための自戒がこめられたこの言葉は、しかし最も重要なタイトルマッチで生かされなかった。再起不能に陥ったマギーとフランキーは、師弟を超えた愛に結ばれていく。
ただただ傑作。リアルな出血シーンがあるのでPG-12指定(12歳未満の観客は保護者同伴)だが、臆せず観て欲しい。
まず一言。これはボクシング映画ではない。はぐれ者同士の親子映画である。
泣けなかった。しかし、泣けば良い、泣かねば悪い、というものでもない。私は、映画を観終わった瞬間から、結果的にいつまで映画のことを考え続けているのか、これが“訴えかけてくる映画”の特質だと認識してきた。そして本作のことは、思えば96時間考え続けている。そして、もうしばらくは。
尊厳死か〜。十把ひとからげに語る気はないが、やり遂げて若く死ぬのと、老いさらばえてなお命にしがみつくのとでは、前者がいいよなやはり。
クリント・イーストウッド。『荒野の用心棒』(1964)や『荒鷲の要塞』(1968)を、あるいはTV『ローハイド』(1959〜)を知っている人たちは、『許されざる者』(1992)で「あ〜やっと監督業でも結実したな」などと無責任な安堵感を抱いたものだったが、そこが到達点ではないこと(驚くべきことに演技者としても!)には賞賛せざるを得ない。同年齢の高倉健と、映画人としての質を比較するとこれまた興味深い(もちろん、どちらもいぶし銀で、優劣などあるはずがないぞ)。
滋味深いのが、音楽と映像のマリアージュだ。近似のテイストを見出せるジョン・カーペンター監督と比較すると、画像へのさりげない調和では、イーストウッドのほうが上に思う。
ヒラリー・スワンク。『ボーイズ・ドント・クライ』(2000)で彼女はオスカーを獲った。この映画についての私のレビューを紐解くと、「ヒラリー・スワンクは熱演だ。認める。でもオスカーはないんじゃないか?」とある。性同一性障害の実話を描いたこの映画は、彼女の演技力以上にテーマが抜きん出ていた。しかし今回は、過去を完全に払拭した。いうなればマラドーナの“神の手ゴール”の直後の“七人抜きゴール”みたいなものかな。とにかく、肉体改造の進行中の彼女は、凄いよ。そしてベッドの中の彼女も。シーツの中の左足が見えないシーンの、その神々しいことといったら。唯一共感しなかったのは、私は自殺はしないと、思う。
モーガン・フリーマン。彼にとっては、頑固婆のお抱え運転手も囚人も大統領もバットマンの影のサポーターも、みんな一緒なのである。こういうのは演技派とは呼びたくないな……。ただし、クリント・イーストウッドとの友情溢れる下品な掛け合いは、秀逸だ。
パンフレットは必ず買いましょう。出色の出来。これで700円は安いはずです。
ワーナー、見直したよ!『バットマン ビギンズ』をこきおろして、ゴメンね。
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