世界にはあなたの発見を待っている"もの"がある
一枚の写真がきっかけでウクライナへ。それは、とてつもなく難解な"探しもの"の旅だった--。
ユダヤ系アメリカ人の青年ジョナサン(イライジャ・ウッド)は、病床の祖母が死ぬ間際、すでに他界している祖父サフランが青年期に見知らぬ女性と一緒に写っているセピア色の写真を渡された。裏には「アウグスチーネとトラキムブロドにて」とメモ書きされている。ジョナサンの趣味は、自分の家族にまつわる想い出の“物”のコレクション。部屋の壁一面には、家族の顔写真ごとに、無数のジプロックが貼られている。祖父、サフラン・フォアの写真の下にあるのはたったひとつのジプロック。その中身は、バッタが透けて見えるペンダントヘッド。写真の女性アウグスチーネの胸元にも、同じ物が見える。父の命の恩人だというその女性が何者かを知るために、そして彼女に恩返しをするために、ジョナサンはソ連時代の古い地図を片手に、祖父の生まれ故郷であるウクライナへと向かう。
ウクライナに降り立ったジョナサンを“ジョナフェン”と呼んで出迎えた通訳兼ガイドは、アメリカ文化が大好きな都会っ子のアレックス(ユージーン・ハッツ)と、目が見えるくせに見えないと言いはりながら車を運転する彼の祖父、そして彼の“盲導犬”サミー・デイビス
Jr. Jr. 。彼の一族は戦争が終わった1950年から“史跡巡り”を家業に、ユダヤ人の祖先捜しを支援してきたのだ。
性格も生まれ育った背景も価値観も異なる3人(と一匹)の、60年前に製造されたオンボロの車トラバントでの、“難い人探しの旅”が始まった。英語しか話せない生真面目なジョナサン、英語がまったく話せない偏屈者の祖父、ロシア訛りでときおりヘンな文法や単語を使うが、臆さず英語を話すアレックスとの会話はもちろん噛み合わないこともしばしば。しかし、最初は嫌々ながら運転手を務めていた祖父は、サフランとアウグスチーネの写真を見て以来、ジョナサンの旅に協力的になる。かつてあった村“トラキムブロド”を探し、ウクライナの美しい田舎道を走り続けて3日目、彼らはひまわり畑の一軒の家にたどり着く。そこには老嬢リスタが1人で暮らしており、彼女の部屋には膨大な箱に入れられたある物がコレクションされていた。そして、ジョナサンとアレックスはそれぞれの祖父の物語を知り、お互いが深い部分で繋がっていることを知るーー。 |